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平成29年度「第16回ちゅうでん教育大賞」

平成29年度「第16回ちゅうでん教育大賞」の入賞者が決定し、10月14日(土)名古屋市内のホテルにて、表彰式を開催しました。

選考総評

選考委員長(玉川大学教育学部教授) 寺本 潔

 今年度の応募論文は、質的に高い水準の教育実践が目立った。大賞に選ばれた大和田氏の論文は、日本の歴史で有名な忠臣蔵裁判を教材化した意欲的な中学社会科実践であった。江戸幕府統治の葛藤や切腹の意味も追究できており、精緻な教材研究に裏打ちされた素晴らしい論文に仕上がっている。歴史を学ぶ意義を民主社会の形成者としての中学生にしっかりと伝える力作である。
 優秀賞の2点は、1点は仙台市立郡山中学校の教員グループによる「支える人」への自覚を促した防災の担い手育成教育であり、様々な地域のセクターとの連携、体験的学びを通した防災教育指導の汎用性を目指した取組をまとめた優れた論文である。防災教育の進展が期待される今日、よいモデルとなる論文である。
 もう1点は、過去に本財団の教育大賞も獲得したことのある吉牟田氏の国語教育論文であり、説明文「自然のかくし絵」にみる感動の共有化を図った実践となっている。原典も読ませ、実際の野外に児童たちが出掛けつつ自然の巧みさや不思議さに感動している。筆者らしい実践スタイルである。過去の受賞論文と基本的には同じ手法が感じられた点とあと一歩の新規性が不足していたのが惜しまれる。
 このほか奨励賞9本は、力学を扱ったユニークな教材や楽曲の構造を可視化した音楽科指導、タブレットPCの操作方法習得を扱った実践、次期学習指導要領でも注目される小学校英語指導、メダカの受精卵を扱い生命誕生の観察記録をもとにした理科の実践、子どもたちの発想を十分に引き出した総合学習、熊本地震からの復興を後押しした学校力を描き出した論文など、工夫を凝らした教育実践論文ばかりであった。しかし、一方で、参考文献が皆無であったり、ページ数の過不足があったり、文体の不備が目立ったりと教育論文として注意してほしい点も多かった。今後のさらなる向上に期待したい。

 

選考委員からのアドバイス

【よりよい論文作成に向けて】

本財団の「教育大賞」で求めている論文は、授業実践を中心にしつつ、リアルな子どもの学びを深めた教育論文です。たとえ優れた教育実践でも、その論文としての書き方や表現方法が不十分なため、予備審査の段階で選考に漏れてしまうことがあります。そこで、応募にあたって次の3点を特に留意して頂きたい。

学校研究として行った全体的なテーマをそのまま題目にしたり、単に実践を記録的にまとめるのではなく、単体の論文として題目や論旨・構成を工夫してほしい。
実践した教育活動をすべて書き出すのではなく、テーマに即して最も主張したい内容を絞り込み、学校や学級ならではの独自性を描き出してほしい。
提出する論文の文字数・ページ数(写真、図表などのスペースも含まれることに注意)や添付資料の規定を厳守してほしい。また、子ども達のノート等を使う場合はできるだけクリアな印字や写真で作成してほしい。

以上の留意点を念頭に立派な教育論文が全国から応募されることを願っています。

「第16回ちゅうでん教育大賞」入賞者一覧

応募総数:61件 表彰数:教育大賞1件、教育優秀賞2件、教育奨励賞9件

(都道府県コード順、敬称略)

受賞内容 都道府県 学校名 研究題目 申込者
教育大賞 香川県 香川大学教育学部附属
坂出中学校
歴史を学ぶ意味や価値を実感させ、民主社会の形成者の育成につなげる社会科学習のあり方~中学2年歴史的分野 実践「忠臣蔵裁判-近世確立の物語-」を通して~ 大和田 俊
教育優秀賞 宮城県 仙台市立郡山中学校 安全・安心な地域づくりに資する心と術を育む防災教育の実践研究~多様な体験的活動に基づく教育実践を通じて~ 髙橋 教義
教育優秀賞 愛知県 刈谷市立住吉小学校 筆者の感動を生き生きと伝える児童の育成~3年国語「自然のかくし絵」体験と読書から~ 吉牟田 幸子
教育奨励賞 秋田県 男鹿市立船越小学校 理科の見方・考え方と実生活とのつながりを重視した理科の授業づくり~原体験の充実に着目した小学校理科の実践を通して~(前任校秋田大学教育文化学部附属小学校における実践) 髙橋 健一
教育奨励賞 秋田県 秋田市立桜小学校 クライマックスへの経過を視点に「楽曲の構造」への理解を深める授業実践~音楽科における能動的な思考を育むために~(前任校秋田大学教育文化学部附属小学校での実践) 佐々木 裕子
教育奨励賞 新潟県 上越市立高志小学校 社会と関わりながら言語文化に親しみ、言語能力を高める国語科授業の創造~「キーンさんとわたし」(6年)の実践を通して~ 小川 高広
教育奨励賞 長野県 長野市立芋井小学校 小規模校の体育授業ベースボール型ゲームの授業づくりに関する実践研究 吉田 陽平
教育奨励賞 長野県 長野市立南部小学校 資質・能力を育む主体的・対話的な問題解決学習に現れる深い学びとは~協同的な学びにおける子どもの発話に視点を当てて~ 林 康成
教育奨励賞 愛知県 岡崎市立梅園小学校 社会をよりよく創り上げる子ども~「梅園百歳プロジェクト」活動を通して~ 加納 隆
教育奨励賞 徳島県 阿波市立林小学校 豊かなコミュニケーションを育む英語教育~地域の「ひと」「もの」「こと」にかかわる外国語科の学習を通して(6年生)~ 日岡 健二
教育奨励賞 熊本県 熊本市立城東小学校 震災を乗り越え、さらに高まる学校の総合力~熊本地震からの一年~ 井芹 武志
教育奨励賞 台北日本人学校 小学校低学年同士の学び合いを軸としたタブレットPC講習会の開発と評価 三井 一希

各賞の副賞は教育大賞50万円、教育優秀賞20万円、教育奨励賞5万円

以上