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2018年度「第17回ちゅうでん教育大賞」

2018年度「第17回ちゅうでん教育大賞」の入賞者が決定し、10月13日(土)名古屋市内のホテルにて、表彰式を開催しました。

選考総評

総評 寺本潔(玉川大学教授)

 今年の教育大賞には、新学習指導要領も告示されて間もないことから、新規の教育課題に対応した実践論文の応募が目立った。大賞に選ばれた「学校現場における分身ロボットの活用法」を提起した論文は、特別支援教育に属する実践であり実に感動的であった。病院内に設けられた院内学級で学ぶ児童を孤立させないための、注目すべきツールとも言える。さらに、院内児童の学習意欲も高めつつ、普通学級児童との心温まる交流場面も読み応えがあった。審査員一同、高い評価を与えた論文である。
 また、優秀賞に輝いた外国語活動とプログラミング教育の論文も質的に高い内容であった。前者は、現行の小学校英語教育にしばしば見られる達成感のなさを問題点として捉え、「聞く・話す」に加え「読む・書く」も技能として位置づけ、外国の多彩な写真を効果的に活用し、ペア対話なども駆使している。6年生の発達特性も生かした綿密な指導計画に基づく外国語活動に仕上がっている。後者は、今後の社会で求められる情報活用能力の伸長を目指した論文で、電気や正多角形という扱いやすいテーマだけでなく、総合で「久留米まちおこし」や「周遊プラン」も取り上げるなど教科等の特性に応じたプログラミング教育に挑戦している点が高く評価できる。
 このほか、奨励賞となった論文では、フォト俳句の鑑賞や毛筆指導、スヌーズレン空間といった重度の障害児対応、室町文化・茶の飲み方に焦点を当てた歴史学習などユニークで多岐にわたるジャンルへ応募が目立った。しかしながら、依然として規定の書式を守っていなかったり、図版・写真が過大で本文量が少なかったり、参考文献が皆無だったりとやむなく選考から外さざるを得ない応募論文も散見された。本教育大賞で期待したい論文は、目的が明確で児童生徒の変容が読み取れる教育実践論文として完成度の高いものである。次年度以降も、多くの方々からの意欲的な応募を期待したい。

 

選考委員からのアドバイス

【よりよい論文作成に向けて】

本財団の「教育大賞」で求めている論文は、授業実践を中心にしつつ、リアルな子どもの学びを深めた教育論文です。たとえ優れた教育実践でも、その論文としての書き方や表現方法が不十分なため、予備審査の段階で選考に漏れてしまうことがあります。そこで、応募にあたって次の3点を特に留意して頂きたい。

学校研究として行った全体的なテーマをそのまま題目にしたり、単に実践を記録的にまとめるのではなく、単体の論文として題目や論旨・構成を工夫してほしい。
実践した教育活動をすべて書き出すのではなく、テーマに即して最も主張したい内容を絞り込み、学校や学級ならではの独自性を描き出してほしい。
提出する論文の文字数・ページ数(写真、図表などのスペースも含まれることに注意)や添付資料の規定を厳守してほしい。また、子ども達のノート等を使う場合はできるだけクリアな印字や写真で作成してほしい。

以上の留意点を念頭に立派な教育論文が全国から応募されることを願っています。

「第17回ちゅうでん教育大賞」入賞者一覧

応募総数:55件 表彰数:教育大賞1件、教育優秀賞2件、教育奨励賞9件

(都道府県コード順、敬称略)

受賞内容 都道府県 学校名 研究題目 申込者
教育大賞 鳥取県 米子市立就将小学校 学校現場における分身ロボットの活用法と今後の可能性について 上村 一也
教育優秀賞 秋田県 秋田市立桜小学校 異文化への理解を広げ、主体的、探究的な学びを引き出すための授業実践~実感を伴った共感的な対話の姿を目指して~ 佐々木 裕子
教育優秀賞 福岡県 福岡教育大学附属久留米小学校 今後の社会で求められる情報活用能力を育成する学習指導~理科・算数・総合的な学習の時間におけるプログラミング学習を通して~ 深野 良介
教育奨励賞 北海道 札幌市立開成小学校 自立した学び手へと導く家庭学習の在り方~型から型を破るまでの道筋とは~ 古田 直之
教育奨励賞 新潟県 新潟市立大野小学校 広い世界に目を向けよう 国際理解教育から広がる取組~ちがいを学ぶことで本当の自己を確立する~ 賀田 祐介
教育奨励賞 長野県 長野市立南部小学校 プログラミングを導入した理科問題解決学習~電気を利用した道具の仕組みと特長を調べることを通して~ 林 康成
教育奨励賞 岐阜県 揖斐川町立谷汲小学校 児童の発達の段階に応じた歯と口の健康づくり
~特別活動で身に付けた知識・技能を日常生活に生かす取組を通じて~
岩間 美保
教育奨励賞 愛知県 名古屋市立高蔵小学校 美文字ワールドカップ!美文字にトライ!~毛筆で学んだことを硬筆に生かし、形の整った文字を書くことができる児童の育成~ 早川 貴之
教育奨励賞 京都府 京都教育大学附属京都小中学校 俳句の鑑賞を通して育成する感性と論理的批評力 
~グローバル社会に対応する思考力・判断力・表現力を育成する~
國原 信太郎
教育奨励賞 大阪府 東大阪市立弥刀中学校 未来をテーマにした横断型科学教育プログラムの実践
~理科総合の取り組みを通して~
飯田 広史
教育奨励賞 和歌山県 和歌山県立和歌山さくら支援学校 特別支援学校における重度・重複障害児の主体的な追視や手の動きを引き出す自立活動の教育実践~手作りスヌーズレン空間を活用した「海中の世界」の体験を通して~ 藤澤 憲
教育奨励賞 熊本県 玉名市立岱明中学校 歴史的事象の見方や考え方を養い、自国の伝統文化を尊重する態度を育む授業の創造 ~教科横断を図るカリキュラムマネジメントを通して~ 井上 裕一

各賞の副賞は教育大賞50万円、教育優秀賞20万円、教育奨励賞5万円

以上