1. トップページ > 
  2. ちゅうでん教育大賞 > 
  3. 「第19回ちゅうでん教育大賞」入賞結果

2020年度「第19回ちゅうでん教育大賞」

2020年度「第19回ちゅうでん教育大賞」の入賞者が決定しました。

選考総評

選考委員長(玉川大学教育学部教授) 寺本 潔

 本年は、防災をテーマにした総合的な学習の優れた実践論文が応募され、本大賞に選出された。愛知県安城市立二本木小学校(児童数781人)という比較的規模の大きい学校の5年学級で取り組まれた「防災キッズになろう」の実践である。この地区は河川や海岸、崖もなく、平坦な土地に住宅開発が進んでいるため、地震災害への対応が焦点化される必要があった。研究の仮説では「社会事象を理解する段階」➩「問題を把握して解説方法を考える段階」➩「地域の人と活動し地域に発信する段階」の3つが設定され、起震装置による疑似体験に始まり東日本大震災関係者とのテレビ電話、代表児童の神戸への見学・取材を経て、地元市役所の危機管理課や安城防災ネットとの連携、群読劇と作成した防災新聞の家庭への回覧等と、実に息長く丁寧に防災を自分事として引き寄せる手立てが積まれている。随所に児童同士の話し合い記録も綴られ、5年生が次第に探究の学びを深めていく様子が再現されている。地域防災訓練への参加や防災バックの中身の絞り込み等、態度化への促しも見事な実践である。
 大賞に続く、優秀賞には長野市立南部小学校の理科を専門とする主任により取組まれたプログラミングに伴う天体のシミュレーション作成と星を見る模擬観察というユニークな教育実践と新型コロナ感染症の流行で休校処置が続く中、多岐にわたるICT活用を通し学びの保証に尽力し学校あげての遠隔授業に取組んだ熊本市立帯山西小学校の実践論文が選ばれた。どちらも近年の情報機器の発達を上手く活かした意欲的な教育実践で、実証性や論理性も優れ、他校でも参考にできる汎用性も認められる。惜しくも奨励賞に選ばれた9本の論文も、「物の溶け方」という理科の見方・考え方を働かせた5年授業や舳五山茶という地元茶のペットボトル商品化に挑んだ中学生、地元パン屋のCMソング創作を試みた中学音楽専科教師の実践、保健室登校生徒への養護教諭による支援、ル―ブリックによる体育の技能獲得、国語科と図工(アート作品)鑑賞の合科による深い学び、体育を通した特別支援学級との触れ合い、白ネギづくりから販売までプロから学んだ小学生、重度の障害児への様々な教具の開発と効果的指導の模索等が論じられ、本年も豊かな創造性や思考力、情操が育まれた教育実践を見出すことができた。

 

選考委員からのアドバイス

【よりよい論文作成に向けて】

本財団の「教育大賞」で求めている論文は、授業実践を中心にしつつ、リアルな子どもの学びを深めた教育論文です。たとえ優れた教育実践でも、その論文としての書き方や表現方法が不十分なため、予備審査の段階で選考に漏れてしまうことがあります。そこで、応募にあたって次の4点を特に留意して作成ください。

学校研究として行った全体的なテーマをそのまま題目にしたり、単に実践を記録的にまとめるのではなく、単体の論文として題目や論旨・構成を工夫する。
実践した教育活動をすべて書き出すのではなく、テーマに即して最も主張したい内容を絞り込み、学校や学級ならではの独自性を描き出す。
提出する論文の文字数・ページ数(写真、図表などのスペースも含まれることに注意)や添付資料の規定を厳守する。また、子ども達のノート等を使う場合はできるだけクリアな印字や写真で作成する。
参考、引用文献がある場合は、論文の最後に必ず明記する。

以上の留意点を念頭に立派な教育論文が全国から応募されることを願っています。

「第19回ちゅうでん教育大賞」入賞者一覧

応募総数:93件 表彰数:教育大賞1件、教育優秀賞2件、教育奨励賞9件

(都道府県コード順、敬称略)

受賞内容 都道府県 学校名 研究題目 申込者
教育大賞 愛知県 安城市立二本木小学校 社会とのつながりを意識し、社会の一員として活動する児童の育成
~ 5年総合的な学習「防災キッズになろう」の学習を通して ~
代表 鶴田 晴紀
教育優秀賞 長野県 長野市立南部小学校 野外観察を補足、促進するためのICT機器の効果的な活用
~ プログラミングによる天体シミュレーション作成と身体化認知による模擬観察 ~
林 康成
教育優秀賞 熊本県 熊本市立帯山西小学校 児童も教職員も「わくわく」する学校づくり
~ コロナによる休校中におけるICT等を活用した児童の学びを継続する取組から ~
平野 修
教育奨励賞 茨城県 水戸市立堀原小学校 問題解決の力を育てる理科学習指導の工夫
~ 小学校第5学年「物の溶け方」において、児童が理科の見方・考え方を働かせながら学習する授業改善を通して ~
林 和一
教育奨励賞 岐阜県 御嵩町立上之郷中学校 子育ては、オール上之郷で
~ 舳五山茶(へごやまちゃ)のペットボトル化を通して ~
加藤 喜代司
教育奨励賞 愛知県 刈谷市立刈谷南中学校 自分の想いをもち、表現することを楽しむ生徒の育成
~ 旋律創作「パン屋やちよのCMソングをつくろう」(中学2年)の実践を通して ~(前任校:西尾市立寺津中学校における実践)
石神 栞璃
教育奨励賞 愛知県 蒲郡市立塩津中学校 自己肯定感を高め、社会的自立心をもつ生徒の育成
~ 「保健室登校生徒に対する養護教諭の行う支援」の実践を通して ~
傳田 陽香
教育奨励賞 三重県 (前任校)津市立南郊中学校 中学校体育の個人種目での技能獲得を目指したルーブリックとタブレット活用の実践(前任校:津市立南郊中学校における実践) 杉野 拓也
教育奨励賞 兵庫県 宝塚市立末広小学校 「見ること」を取り入れた国語科単元学習の開発と実践
~ 小学校中学年における2つの事例より ~(前任校:神戸大学附属小学校における実践)
増永 雄一郎
教育奨励賞 広島県 広島市立井口小学校 小学校体育科における主体性・多様性・協働性を育むインクルーシブ授業の授業実践
~ 複式学級・特別支援学級による少人数、異年齢集団の関わりから ~(前任校:広島大学附属東雲小学校における実践)
八反田 耕士
教育奨励賞 山口県 岩国市立米川小学校 教室と現実社会とを結ぶコミュニティ・スクールを活用した授業デザインの開発
~ 「プロフェッショナルに学ぶ」から「プロフェッショナルと学ぶ」 ~
福村 美咲
教育奨励賞 高知県 高知県立
高知若草特別支援学校
ひろげよう!ぼくの世界 つなげよう!ぼくの未来
~ 重度肢体不自由障害のある児童の「生きる力」の育成に向けた授業づくり ~
森田 唯

各賞の副賞は教育大賞50万円、教育優秀賞20万円、教育奨励賞5万円

以上